【愚者の楽園】〜野生ヨウムの保全について

2016.12.28 Wednesday

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    不要になった写真を噛みちぎる息子。

    普段はオカメ娘が近づくと怒るのですが、カミカミに夢中で気づきません。

     

     

    引越して1ヶ月が経過しました。

    だんだん自分の住む「巣」みたいな安心を新居に感じるようになってきました。

    狭い部屋でも便利なことが多いと気づいてきました。

     

    今回の記事は、去る11月19日に開かれた、TSUBASAの第11回セミナーに関する情報拡散と感想です。

    (講演全体を総括した内容ではありません)

     

    タイトル「愚者の楽園」については最後に申し上げます。

     

    今回は長文です。

    乏しい文章力でお恥ずかしい限りですが、最後までおつきあい下されば幸甚です。

    合間に、引越し準備で発掘した昔の作品や没ネームなど挟んでご紹介します。

     

     

    もし夜中にこんな怪鳥が空を飛んでいたら?

     

     

    最初に、私が野生ヨウムについて関心を持った話を申し上げます。

    2010年3月ごろ、初めてタワー型のパソコンを買ってネット接続したころでした。

     

    グーグルの検索で「ヨウム」と入力すると愛くるしいヨウムの画像が並ぶのに対し、英語の「african grey」で検索すると野生ヨウムの捕獲に関する画像が数点現れました。

    ヨウムが翼を乱暴に掴まれ、目を覆いたくなるような酷い仕打ちを受ける場面を見て、私はショックのあまりパソコンの電源を落として息子を膝に抱き寄せ、しばらく泣いていました。

     

    なぜ日本ではヨウムの密猟が取り上げられないのか?

    そう思いました。

     

    でも日本には「アフリカ〜ヨウム〜密猟」でつながる情報がありません。

    そうしているうちに月日が過ぎて行きました。

     

    そんなこともあって、セミナーに参加するにあたり「決して楽しい講演じゃない」と覚悟していたはずでしたが…

    密猟のせいで傷つき、死んだヨウムの無残な姿をスライドで見たとき、やっぱり耐えられなくてボロ泣きしました。

    私だけでなく、他の参加者さんも涙を隠せなかったようです。

     

     

     

    小説の挿画の勉強で描いた、泉鏡花「夜叉ヶ池」のワンシーン

     

     

    会場の壁には、野生ヨウムの現状をレポートしたリーフレットが展示されていました。

    特定非営利活動法人アフリカ日本協議会のHPにある「野生ヨウムの生息地 コンゴ共和国からのメッセージ」PDFファイルやjpgがダウンロードできます。

    http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/forest-elephant/

     

    なお、リーフレットについて注意点が1つ。

    裏面の最下段に小さな文字で著作権が表示され、複製禁止と書いてあります。

    例えば許可なく紙に印刷して人に配ったり、画像そのものをブログに貼ったり文章を引用したり、というのはいけないのですね。

     

    アフリカ日本協議会のフェイスブックもあります。

    https://www.facebook.com/Africa.Japan.Forum/

    11月27日付でTSUBASAのセミナーの様子が投稿されてます。

    12月17日付でヨウムに関するメディア報道などを見ることができます。上記のリーフレットのダウンロードもできるようです。

     

    当日の特別講演者の西原智昭さんのフェイスブックも勉強になります。

    2014年1月26日にヨウムやイルカなどに関する投稿をなさっています。

     

    ヨウムに限定せず、アフリカの熱帯雨林全体の最新情報を学ぶなら、こちらも是非。

    http://www.news-pj.net/news-all/nishihara
     

     

    幻の没ネーム。昔はこんな絵柄だったんですね。

     

     

    セミナーの感想ですが、ヨウムと暮らしている人間にとって大変心の痛む内容でした。

    特に辛かったのは、

     

    ・1羽のヨウムがペットショップで売られる過程で、100羽のヨウムが命を落としていること。

     

    ・海外の繁殖業者も、丈夫なヒナを「生産」するためにアフリカで捕獲された若いメスの野生ヨウムを購入している。

    人工繁殖で生まれたヨウムでも、そういった事情で何分の一かは野生の血が混じっていると考えられること。

     

    ……こういう場合あくまで冷静に、決して善悪や感情でモノを考えてはいけないのですが……ヨウムが可愛くて仕方ない人間には大変厳しい話です……

     

    1羽のヨウムと相思相愛で暮らす幸せの陰で、遠いアフリカの森で同じヨウムが命を奪われている事実。

    私が息子と出会うために犠牲になってしまったヨウムたちへの罪悪感。

    もしかしたら息子のお母さん・おばあちゃんは、あんな酷い目にあってアフリカから拉致されてきたのかもしれない。

     

    あのセミナー以来、自分の心は今も深く打ちのめされたままです。

     

    でも、だからこそ、自分ができることは何だろう?と真剣に問いかけ、目を逸らさず現状を見つめる。

    そういう力の源になる、とても有意義なセミナーだったと思います。

     

     


     

    また西原さんのお話では、日本では9箇所の動物園がヨウムを飼育しているけれど、前出のリーフレットの配布を承諾したのはたった1つだったそうです。

    断られた理由の中には「シリアスな情報はいらない。ショーの方が大事」というものがあったそうです。

    もしショーの中に野生ヨウム保全に関するストーリーを盛り込めば、教育として活用できるはずなのですが???

     

    以下は私の考えですが…

    動物園としては、可愛い動物の楽しいエンターテイメントで来園者の気分を盛り上げて、その勢いでお金をどんどん使ってもらう方が好ましく、本来の目的である野生動物の保護/研究/教育といった「シリアスな情報」のせいで来園者の消費マインドが冷えてしまうのを避けたいのではないでしょうか。

     

    確かに収益を上げることは大切ですが、野生動物の生きる厳しさを知る筈の動物園が、本来の仕事である情報発信を放棄したわけですから、もう最悪です。

    どんな理由であれ、リーフレットを断った動物園の志の低さに失望しました。

    冒頭に書いた、日本ではヨウムの密猟が取り上げられない理由の一つも、そこにあると思いました。

     

    見たくない情報、不利益をもたらす情報にはフタをする。

    もし見てしまってもサラリと「水に流す」、忘れる。

    こんな日本では、野生動物保護を浸透させることは程遠いでしょう。

     

     

    紙粘土で作ったトルソー。特にモデルは無くて作りました。私の顔にも全く似てません。

     

     

    最後に記事タイトルの「愚者の楽園」について申し上げます。

     

    ヨウムの話から少し離れます。

    昔たまたま見たNHKのテレビで1972年の沖縄返還についての特番をやっていて、当時の佐藤栄作首相の密使としてアメリカと交渉した国際政治学者・若泉敬が紹介されていました。

    若泉敬は、沖縄の痛みに無関心なまま平和を享受する日本の姿を指して「愚者の楽園」と表現したそうです。

     

    セミナーの間ずっと、この「楽園」という言葉が頭の中で渦巻いていました。

    そして今現在、自分の中での結論は、こんな感じです。

     

    私たちは誰もが、見知らぬ遠い誰かの痛みの上に立って生きている。

    その見知らぬ誰かは、米軍基地を抱える沖縄の人であったり、原発のそびえ立つ地域の人であったり。

    あるいはスーパーの冷蔵庫に肉塊になって並んでいるニワトリだったり、人間の医療開発で実験台にされる小動物だったり。

    そして、遠いアフリカの森に住む灰色の鳥だったりする。

     

    でも、あまりに広がりすぎた現代文明に生きる以上、世界の全ての痛みを知ることは至難に近い。

    私達の誰一人とて賢者になれる者はいない。本物の楽園は、もう存在しない。

    それでも私たちは小さなことから少しづつ学んで、愚者の名から解放されるよう努力しなければいけない。

     

    以上、拙い文ながら思いの丈を吐露させていただきました。

    最後まで閲覧いただき誠にありがとうございました。

    この記事が、微力でも野生ヨウムの保全の一助になれば幸いです。

     

    かなり重い内容でしたので、最後は鳥たちの画像で終わらせていただきます。

     

     

    これからお風呂入りま〜す。

     

    バシャバシャ〜♪

     

    発情を抑制するため、ときどき首飾りをさせます。引越しと同時に新調しました。

     

     

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